2007年02月27日
77:ある老夫婦 前編
リザーバーの手術も無事終わり、
体調も少しずつ回復して行った頃、
私がいた4人部屋の病室に【新人】さんが入ってきた。
【新人】さんと言っても70歳くらいの男性で
その方は肺がんを患っていて今回、入院されたのだった。
入院初日、奥さんと一緒に来られて
奥さんは入院に必要な身の回りの物の整理をされていた。
一通り整理が終わると奥さんは
「私は足が悪くて歩くのが大変だから
頻繁には病院に来れないけど頑張ってね。」
と言って帰っていった。
…とは言うものの、1週間1度は来られていた。
足が悪いうえに何度もバスを乗り継がなければならないらしく
相当大変だったに違いない。
本当に仲の良いご夫婦だった事を覚えている。
入院中、この男性は病室の窓からいつも山の方を眺めていた。
それは私も良く眺めていた、山菜採りに行く山の方角だった。
しかも、その男性は頻繁にその方向を眺めている事が多かったので
私はとても気になっていた。
年の差はあるものの、私はその男性に話しかけてみた。
するといつも見ていたその方向には自宅があるとの事だった。
お子さん達もそれぞれ独立し、家庭を築いていたため
今は奥さんとの2人暮らしをされていると言っていた。
奥さんが暮らす我が家の方向を窓越しに見て
いろいろな想いがあったのだろうと思う。
その他、キノコ狩りの話しやワカサギ釣りの話しなんかもした。
この男性とは気が合うというより
心に残る人だった事を覚えている。。。
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