2007年02月10日
64:娘の結婚式3
結婚式の当日、私は結局病院にいた。
朝方、病室の窓から結婚式が行われる式場の方向へ目を向けた。
『今、電車に乗っていけばまだ式には間に合う。。。
何とか行きたい。。。
行かなければ。。。』
と心の中で思い続けた。
ただ、実際問題として
電車に乗って行くまではいいがその後、どうやって
この身体で駅から外に出られるのだろうか。。。
その頃はたった100メートルも歩くことが出来ないくらい
身体が弱っていた。
着ていく服さえも無かった。と言うより元気な頃より
20キロも痩せてしまった身体に合う服なんて持ってるハズが無い。
『でも、行ってやりたい。。。』
何度も何度も繰り返し心が揺れた。
私は何度この窓越しに来ては
会場の方角を眺めたことか。。。
末期がん(肝臓がん)と戦い、生きている事に
感謝はしていたけれど、親父として娘の晴れの日に
立ち合えないと言う悔しさはとても残っている。
本当に残念だった。。。
娘もあんなに楽しみにしていたのに
かわいそうな気持ちで一杯だった。
それからしばらくして妻から
「結婚式、今無事に終わったよ。
明日、結婚式の話しをしに行くからね。。。」
との連絡があった。
私は妻から連絡をもらって
娘の結婚式が無事に滞りなく終わったことで
ホッとしたような気持ちになった。
新婚旅行はオーストラリアに行くとの事。
私はお土産に財布を頼むことにした。
帰ってくるのが待ち遠しくて楽しみだった。
妻が次の日、私の病室に来てくれた。
「娘とね・・・、
ここ(結婚式会場)にお父さんがいたらどんなに良かったかね。。。
なんて話しして2人で泣いちゃったよ。。。」
結婚式の話しはいろいろと聞かせてもらってそれなりに
楽しかった。
だけど私は
「娘とね・・・、
ここ(結婚式会場)にお父さんがいたらどんなに良かったかね。。。
なんて話しして2人で泣いちゃったよ。。。」
私は妻がポロッと言ったこの言葉が妙に心に引っかかった。
末期がん(肝臓がん)と戦って
今こうしてせっかく生きていられるのに
何故、こんな大切な日を前に気を失ってしまったのだろうか。。。
私は自分を責めた。
そしてその日から
大好きだったタバコを止めることにした。。。
⇒次の闘病記に進む(65:娘の結婚式4)
⇒末期がん(肝臓がん)闘病記を最初から読む
⇒時系列年表に戻る
◆ご意見・ご感想下さい。メールはこちら◆



