2006年11月06日

12:生体肝移植





末期がん(肝臓がん)のためのカテーテル手術から
1週間近く過ぎた頃、家族が揃って病室に来た。


家族みんながそろって集まることは珍しく、
あまりある事ではない。






「今日はどうしたんだ?」



良く見ると孫達の姿が無い。。。



「孫達は???」






妻は孫達のことには触れず、

「おとうさん、主治医の先生から話しがあるから」

とだけ答えた。





私は何か雰囲気がおかしいなとは思ったが
妻の言うとおり、家族と一緒に主治医の所へ行った。



主治医は、

「家族の方から肝臓移植の治療をと言う申し出があります。」

と言われた。




「・・・。 ・・・???」




私は本当にビックリしました。

何か様子が変だとは思っていましたが
まさかこんな話しになってるとは・・・。



生体肝移植・・・。俺が受けるの・・・???



肝臓の提供者はそう簡単に見つかるものではないらしい。

しかも、仮に肝臓提供者が見つかったとしても
私と適合されるか分からない
とても難しい手術ではないのか。。。




そんな事を頭でグルグル考えていた所に妻が主治医に言った。

「私の肝臓を使ってください!」


私はすかさず
「私は肝臓移植なんか考えていません。」 と言った。


そこへ息子や娘達もが肝臓提供者になると言い出した。


主治医は
「今は医療技術も進歩しています。
血液型が同じであれば肝臓移植は可能だと思います。」



確かに私の家族はみんなO型。

でも、そんな負担は家族にはかけられない。。。

私はどうしたら良いか分からなかった。

ただ、気まずい空気が部屋の中を流れていた。。。




先にも話したとおり、
肝臓移植にはそれなりのリスクが存在する。


〜移植後、私と適合するか分からない〜

〜提供者側にもリスクが出てくるか分からない〜

〜保険は利くみたいだが費用だってどうするのか〜

〜最悪、私にも提供者側にもリスクが生じたら・・・〜



今後の家族の事、かわいい孫たちの事、
そして費用の事・・・。

どれを考えても私には肝臓移植に踏み切る
考えは起きなかった。



「先生、やはり肝臓移植はしなくていいです。。。」


「肝臓移植の経験がある大学病院に紹介状を書きますから
奥さんと一緒に良く相談されてみて下さい。」

主治医は言った。



その後、病室で家族と何を話したかは思い出せない。

ただ、家族への
言葉では言い表せない深い感謝の気持ちと共に
それゆえの肝臓移植には踏み切れない気持ちで
一杯だったことは良く覚えている。。。




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